紺の背広。
高くない背丈。
美丈夫でもない顔。
「匂うね。」
「わかりますか?」
銃声5つ。
倒れていたのは、匂うと言った少年。
此処では誰もが、命を奪う権利を持つ。
○然史慶介(シカシケイスケ)
○33歳
○オートマチックの軽い銃と、小機関銃を装備
○返り血を浴びないのがモットー。
「パスりと乾いた音がするんです。」
そして、すれ違うのだと。
倒れた獲物に、世間の人間はこれでもかというほど無関心なのだそうだ。
人がよく死ぬ町では当たり前で、人が死ぬなんて考えられないほど平和な町では皆が目を逸らし。
そのどちらともいえない町は、仕事がしにくいらしい。
「もっとたくさんお金がいるんです。」
仲間と笑って酒を呑む。
虚ろを隠して人を撃つ。
本当に撃ちたい相手は、実は。
空に輝くあの月の向こうにいる。
「あの裏から、何者かが見ている。その話を、僕は冗談でしかしたことがない。
だけど、僕は見たんだ。
あの裏側からずるずると、金色に輝く月の表面に這い出てきた何かを。」
知ったのだそうだ。感じたのだそうだ。
あれは、この世に悪意をもたらすものだと。
見た瞬間、その瞬間にそれが、地球のどこに、黒い欲望の切欠を投げかけているかを、理解した。
「世の中、悪いことをするのは、人間しかいない。
そう思っていたんです。
でも。
アレはもうすぐ、取り返しのつかないことになる。その前に。何としても。」
空を飛ぶ。
心を操る。
鉄を引き裂く。
世界の、ありとあらゆる鼓動が。
世界の、ありとあらゆるゆがみが。
それを受け止める為の子供たちに注がれるその時に。
まだ誰も知らない。
これからも殆どの人は知らないまま。
けれど、地球は選び始めている。
愛する、人間と言う同居人を守るための、勇者たちを。
「できるわけはない、と思っているはずなのに。」
それを諦めることは、世界がゆるしてはくれないのだ。
銃を取れ。
その冷たい鉄の心で、暖かい心を持つ同士の、背後に立つ影を討て。
それはまだ、始まらない物語。
砂の城/Revo
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